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歴史的な円安がもたらす企業への影響と為替リスクへの対応

歴史的な円安局面が続いており、円相場は34年ぶりの円安・ドル高水準で動き続けていますが、円売り・ドル買いが加速する展開にはいまだ至っていません。

 

歴史的な円安局面が続いており、円相場は34年ぶりの円安・ドル高水準で動き続けていますが、円売り・ドル買いが加速する展開にはいまだ至っていません。市場参加者は政府や日銀による円買い介入に警戒しながら円売りを進めてきましたが、それでも円安基調が続く要因は、米インフレの粘性が強く、市場が米連邦準備理事会(FRB)が利下げに転じるタイミングをつかみきれない事が挙げられます。

 

基本的に円安のメリットは、輸出する製品の価格を安く出来る為、国際競争力を高めることが可能になり、更に海外で稼いだ外貨を円に転換する場合に売上高が増加するため、業績が上がり、株価も上昇する傾向があることです。

 

一方で円安のデメリットは、円の価値が下がる為、交換できる外貨が少なくなり、海外の製品やサービスの価格が上がる事であり、特に輸入に頼っているエネルギー資源や食材などの価格が上がるため、輸入企業ではコストが増大して業績が悪化する要因となります。

このように、為替相場の変動によって、外貨建て資産の円換算額に損益が生じる可能性のことを為替リスクと言いますが、具体的には以下の3つのリスクがあります。

 

最初の「為替換算リスク」は、外貨建ての資産や負債の評価額が為替変動により増減するリスクであり、2つ目の「為替取引リスク」は、為替相場の変動により取引時の円建ての換算金額から、取引決済時の円建ての換算金額が変動するリスク、最後の「為替経済性リスク」は、為替相場の変動が価格競争力や企業の生産構造などに影響を与えるリスクです。

 

これらのリスクに対応する為に、為替リスクを受けやすい業種は、早い段階から対応策を検討することが必要となります。尚、為替リスクへの対応としては、取引全てを円建てに変更する方法や、決済時期や入金時期をコントロールする方法、通貨オプション等を活用する方法などが考えられます。