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企業保険の考え方と選び方

効果的、効率的な保険活用を目指すのであれば、保険商品を選択する前に自社のリスク環境や財務状況を確認し、
自社の理念や考え方に基づいた保険選択をする必要があります。

 

保険の価値を理解する

保険を企業経営に生かすには、保険の価値を正しく理解することが必要です。保険の価値は大きく「基本的価値」
と「副次的価値」に分かれます。基本的価値は財務的な価値であり、「資産減少の補塡」「費用増加の補塡」「収
益減少の補塡」の三つになりますが、これらの価値は事故が起きることによって初めて享受できる価値であり、本
質的には発揮されない方がよい価値です。一方、事故が起きなくても保険に入ることによって生じる価値もあり、
保険選択にはこの副次的価値を考慮することも大切です。

 

副次的価値の一つ目は保険による安心感の提供であり、これは事故が起きなくても得られる価値です。
二つ目は投資の促進です。保険があるからこそリスクを伴う事業にも能動的に投資が可能になり、利便性も享受で
きます。保険がなければ自動車による営業はリスクが高すぎますし、火災保険や地震保険がなければ建物を建てる
リスクを負うことも難しいかもしれません。また、保険がなければリスクを利益と純資産で保有しなければならず、
キャッシュを固定させる必要がありますが、保険があれば安価な保険料を支払うことで、資金が流動化でき、能動
的な投資が可能になります。

 

三つ目がリスクマネジメント機能の促進です。
保険は最後の手段であり、特定のリスクに限定されますが、企業のリスクマネジメント活動のセーフティーネット
の役割を果たします。また、保険料削減のインセンティブがリスクマネジメント機能を促進させます。具体的には、
保険料削減を目的として、財務力強化やリスクをコントロールする活動が活発化するということです。さらに、保険
による資金的な裏付けは有事の際の正しい意思決定を導きます。具体的にはリコール保険があるから素早いリコール
発動の判断ができたり、使用者賠償責任保険があるからこそ会社の安全配慮義務違反があっても、労災に関する申請
支援をすることが可能になります。